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【純愛】ショート・ショート (執筆:「毒名希望」氏) (2005.01.31更新)
【Vol-1】
俺の浅い眠りを覚ましたのは頬に感じた彼女の唇だった。
寝ぼけているからか、あまりに顔が近すぎて焦点が合わないからかうかつにも俺は彼女の名前を思い出せずにいた。
もちろん彼女の顔に記憶は有る。
端正な顔立ちの彼女が微笑みかけている。
俺は猛スピードで記憶を辿る。が、名前が思い出せない。
そんな俺の様子を見透かしたかのように彼女は悪戯っぽく俺の目を見ている。
数秒後、戸惑いの言葉を発しようとしたタイミングを見計らったように彼女が口を開いた。
[○○○です。御指名有難うございます。]
俺の記憶が一気に蘇る。
写真で指名したのだった。
[ごめん、少し酔いすぎたみたいだ。。]
この台詞を30分後にもう一度彼女に囁いて俺は彼女と別れた。
師走の夜風は、僅かに残った酔いを気持ち良く醒まし去ってくれる。
もう一軒逝って見るか。。。やり残した物を片付ける為に。。。
【Vol-2】
青すぎる空に、白すぎる雲が浮かんでいる。
まるで絵に描いたような空にそのまま続いているかのような道には、あくまで自然にポプラがそそり立っている。
完璧な構図の中を歩いていると、これが現実なのか、夢の中なのかさえ判らなくなる。
誰も居ない、何も聞こえない、、、
俺は何処に向かって歩いているのだろう。
この道の先には何が有るのだろう。
やがて、向こうから歩いてくる人影は俺に答えをくれるのだろうか。
いかにも偶然に出逢ったその人影と俺は教科書通りの挨拶を極自然に交わすのだった。
そう、見知らぬ人とでも挨拶をさりげなく交わす。そんな風景。
その人影が歩みを止め、俺の背中に声をかける。
これが偶然の出逢い。これが全ての始まり。
化粧っけの無い、おとなしそうな彼女は俺とどんな物語を創るのだろう。
[あら〜!○○ちゃんじゃないの〜。又パチンコ?たまには飲みに来てよ〜]
ゲッげっ〜!●○子じゃん。 化粧落としたら全然別人。。。(滝汗
【Vol-3】
12月○○日 今年もこの日が巡って来た。
うっすらと雪化粧した駐車場。
俺は一年振りに、忘れる事の出来ない、忘れてはいけない記憶と景色の中に居る。
後ろに停めたフィアットの助手席に彼女の面影だけを乗せながら。。。
それでも月日は俺に[慣れ]と言う免疫を与え、今では流石に涙は出ない。
こみ上げて来る熱い物に吹き荒ぶ北風さえも俺をその場から動かす事は出来ない。
10分、20分。。俺は自分に罰を与えるが如くにその場に立ち尽くす。
やがて記憶のドアが静かに閉まり、雑踏のドアが静かに開く。
俺は導かれるようにそのドアに歩みを進め通常の生活に戻って行く。
何年か前のグランドオープンの時は寒かったな〜。
開店待ちで涙がちょちょぎれたもんな。
この店って[開店○周年のイベント]は出すから、並んでも打たなきゃね〜
【Vol-4】
こんな田舎の中小企業であっても海外出張は日常の事となり、英会話は必須となった。
俺の英語は恥ずかしながらドリフの注荒井注レベル。仕方無しに駅前留学と相成った。
とは言え、通える時間は限られているので、マンツーマンのコースをチョイス。
偶然にも先生が可愛いかった物で、予定を変更して足繁く通う事と相成った。
片言の日本語を話す外人女性と、片言の英語を話す日本人生徒の仲は僅かな時間で急接近。
生徒と先生の関係から男と女の関係になるのにさほど時間は必要としなかった。
教室では、少しも勉強せずに、ただ彼女と一緒に居る事だけが目的となり英語が少しも上達しないくせに、学費だけを使い続ける自分に後ろめたさを感じ始めた頃彼女から衝撃の告白を受ける事になる。
[私ビザが切れるので、もうじき国に帰るの。代わりにお友達を紹介するね]
程無く部屋に入ってきた女性と入れ替わりに彼女が部屋を出て行く。
友達という女性は、型通りの挨拶を済ませた後にこんな事を言った。
[私、彼女と違って、アレ飲めないの。それだけごめんね]
教室を出て振り返ると英会話教室にしてはやけに派手な看板だと今更ながらに気が付く。
どうも変だと思っていたが。。。。ここは[外人パブ@とってもエッチ]。。。。
途中から少しおかしいとは思っていたが。。。。
目的の英会話教室が表通りに有る事に気付き、ただ立ち尽くす俺がいた。
【Vol-5】
[そんな気がしていたの。。。。]
搾り出すようにつぶやいた彼女を目の前に俺は立ち尽くすしかなかった。
彼女が手にしているのは俺の為に編んでくれたであろう手編みのセーターそれを目にした時に
[これを受け取る事は許されない]
そう思った俺は、別れの言葉を彼女に伝えたんだ。
涙に暮れながら気丈に彼女は言葉を続けた。
[このセーターだけは受け取って下さい。ふられる事は気付いていたけど、貴方の事だけを考えながら編んだの。そうでもしなければどうし様も無かったから。。]
彼女の言葉が真実なのか、俺をかばう詭弁なのかは判らない。
ただ俺は予想できなかった展開にただうろたえるだけだった。
俺の頬を思い切りひっぱたいて、捨て台詞を残して去ってくれたら。。。
そんな男の一方的な御都合はたった一粒の涙で流されてしまった。
黙ってセーターを受け取り、[送るから。。]そう言うのが精一杯。
彼女の家に車を横付けし、彼女が下りドアが閉まる。
俺も彼女も一言も発する事が出来ずに僅かに時間が止まる。
車が動き出した時に彼女の口が動いた。。気がした。。
彼女が最後に残した言葉が何だったのかは判らない。
ただ素人目にも素晴らしい出来栄えのセーターが俺を叱咤する。
タグを付ければ、ショップに並べられそうなセーターを眺めながら、俺は思い切って袖を通してみる事にした。
嫌いで別れた訳じゃない。彼女の事を忘れたい訳でもない。
けじめを付けたのなら、尚更に着れない理由は無い。
それがせめてもの彼女に対する俺の誠意のような気がしていた。
ちいせえよ!
頭が出ねえよ! 嫌がらせだったのかよ!
【Vol-6】
俺を深い眠りから呼び覚ましたのは下半身への刺激だった。
この淫靡な快感は夢の中の事なのか、それとも現実なのか。
もうろうとした頭がはじき出した答えは[現実]
俺は今何処に居るのだろう?
俺をもてあそんでいるのは誰なのだろう?
目を開ければすぐさま答えは判る。
しかし、あえて目を閉じたままで、この快感に溺れていたい。
少しずつ記憶が蘇る。
昨晩飲みに行った店。
お気に入りの女の子。
したたかに酔った俺は。。
サウナに転がりこんだ。。。はず。。。。
って事は。。
まさか。。。。
慌てて毛布を跳ね除けると、俺の股間に顔を埋めているのは
やっぱり。。。。男。。おとこ。。オトコ。。。。。
それもオッサン!!
あぶねえ。もう少しでイク所だった。。。
【Vol-7】
唇を固く結んで、乱れを押し殺すその健気な表情は俺の興奮を一気に頂点まで押し上げた。
まさか、この子とこんな関係になろうとは。。。
思ったより純真で有る事に妙に心を奪われるのは男の愚かな性だろうか。
傍らに寄り添いそっとキスをすると、彼女は目を開けて何か言いたげに俺を見た。
恥ずかしそうに、躊躇いながら、彼女は言った。
[して、いいんだよ。。。。]
。。。。。。。。。(既にし終わっているんですけど。。。。。。。。)
【以下、[2nd BBS]で連載中】